Denimusic Fes

邦ロックとかラウドロックとかジーンズとか

DIR EN GREYについて その2

はじめに

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コロナも収束に向かい…と思わせてまたぶり返してきた昨今いかがお過ごしだろうか?


僕か?僕はもう「どーにでもなーれー( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽ」といった感じだ。うん、もうヤケだ。いや、ダメなんだけども



さて、タイトルの通り放置していたDIRENGREYについての紹介だが、ここでもコロナの影響でツアーそして実質ツアーファイナルだったぴあアリーナ公演2DAYSが中止になってしまった。ギャフン。

DIR EN GREY OFFICIAL SITE



しかしだ。


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ただで終わるはずもなく、本来やる予定だったセットリストによるライブストリーム&チケット購入者特典の追加等、DIRENGREYなりの誠意でファンを喜ばせるこの計らい、嫌いじゃないわ!(何)



というかライブストリームに関しては他のバンドも追従しても良いと思うのだが…リアルタイムで見ると凄い盛り上がりなんだよ。あれ…



と言う事でライブストリームが間近に迫っている事もあり、今回の記事を書く事でDIRENGREYを布教するのである。拒否権はない(おい)


1st MiniAlbum six Ugly

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Amazon.co.jp: six Ugly: 音楽



V系


1.Mr.NEWSMAN
2.Ugly
3.HADES
4.umbrella
5.children
6.秒「」深

※太文字がオススメ楽曲


メジャー流通後初のミニアルバム。鬼葬に引き続き音楽性の変化が強く出たという事も有り、書く事にした。


ジャケットの見た目通り、このアルバムには所謂V系の匂いはあまりしない。どちらかと言えばミクスチャーロックバンド然した楽曲と世界観だ。もっともM-5、M-6はインディーズ時代の楽曲をセルフカバーしたもので、かなりアレンジされているらしい(インディーズ版は未聴)


いずれの楽曲も疾走感溢れるラウドロック感が強く、PVが作られたM-1は社会風刺とマスメディア批判を絡めたミクスチャーチェーンで、その流れからハードコア色のある楽曲が続いていく。(ちなみにPVあるのに公式でUPされていない。解せぬ)


特にM-4のumbrellaは今でもライブで演奏されるほどの人気が有り、この楽曲のイントロが流れるとフロアのボルテージが一気に上がる。DIRには珍しいポップ・パンク感があるのが逆に良い。


※公式より。サブスクで配信されてるベストアルバムに収録されてる楽曲に関してはYoutubeで聴ける模様


DIRの音楽性が徐々に固まってきたことを表す重要なアルバムである。


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なお、この頃のDIR。若干脱ビジュアル系感が強かった気がする
(それでもメイクしとるけども)






4st Album VULGAR

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VULGAR

VULGAR

  • アーティスト:Dir en grey
  • 発売日: 2003/09/10
  • メディア: CD




第1期DIRENGREYの集大成


1.audience KILLER LOOP
2.THE IIID EMPIRE
3.INCREASE BLUE
4.蝕紅
5.砂上の唄
6.RED...[em]
7.明日無き幸福、呼笑亡き明日
8.MARMALADE CHAINSAW
9.かすみ
10.Я TO THE CORE
11.DRAIN AWAY
12.NEW AGE CULTURE
13.OBSCURE
14.CHILD PREY
15.AMBER

※太文字がオススメ楽曲


six Uglyから約1年後にリリースされたフルアルバム。全体的な活動を見るにあたって、当時の集大成となる楽曲が目白押しだ。



前作鬼葬がエログロマニアック路線だったのに対し、今作ではより洋楽の影響を受けたラウドロックナンバーやミクスチャー感ある楽曲が数多く収録されている。

例えばM-14.CHILD PREYに関しては某MAD感が強いサイバー色が強いミクスチャーラウドロックが最高にキマっている。ライブでも人気曲の1つなのも頷ける。



そしてM-2の第三帝国」ことTHE IIID EMPIRE


※公式より。なおこのバージョンはセルフカバーなので原曲とは少し異なるが大体のメロディーは同じ


この楽曲は常にライブで演奏されている楽曲で、SiMでいうところのf.a.i.t.hCrossfaithでいうところのCountdown To Hellに匹敵する。最凶ナンバーの1つだ。


もっともDIRENGREYはダイブ・モッシュ禁止なのでWODが発生する事はないのだけども…


それだけでなく、イージーコアやシャッフルビート、グランジ、ハードコア等あらゆる音楽性を取り込んだ上に、DRAIN AWAY、かすみ、蝕紅といった和風V系色の強い楽曲もあり、V系だけに留まらずあらゆるジャンルを網羅している事から、今までV系に偏見を持っている人でも聴きやすい内容になっている。要は初心者ならばオススメ出来るアルバムなのだ。


と言いつつも、そこは「一般受け?何それ美味しいの?」という一面を持つDIRENGREY。



M-13.OBSCUREという激ヤバ曲があるのだ。



曲調はホラー感漂うイントロからヘビーな轟音が鳴り響き、京の変幻自在なシャウトから切ないメロディーが流れるサビに繋がるのだけども、PVがヤバい。


どのぐらいヤバいかと言うと、一言で言えばエログロド直球160km超えのカルト作品なんだけども…

・当初発表されたPVがグロすぎて放送禁止になる

・↑の為に一部修正を加えるも、それもグロすぎて放送禁止になる(DVDにはギリ収録される)

・結果的にライブ映像を組み合わせたPVで何とか放送可能になる(と言いつつも、とあるライブのバックモニターで少しだけ流れている)



ちなみに内容だが…あの人身損壊とか流血とかスプラッターとかホラーとか…その辺の耐性がない人にはオススメ出来ないとだけ言っておこう。僕か?僕は開始10秒でギブアップした。自己責任にはなるけど某動画サイトでアップされてるとは思うがオススメはしない。公式でUPされてるけど、覚悟がある者だけ見るがよい(何様やねん、自分)


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この頃のDIRパート2
所謂ゴスメイクとスッピンを交互に繰り返す感じだった。ちなみにメイク取ってもイケメンである。


5st Album Withering to death.

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Amazon.co.jp: Withering to death.: 音楽


第2期DIRENGREYの幕開けにして、苦悩の始まり


1.Merciless Cult
2.C
3.朔-saku-
4.孤独に死す、故に孤独。
5.愛しさは腐敗につき
6.Jesus Christ R'n R
7.GARBAGE
8.Machiavellism
9.dead tree
10.THE FINAL
11.Beautiful Dirt
12.Spilled Milk
13.悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱
14.鼓動


※太文字がオススメ楽曲。つまりは全曲聴け。異論は認めぬ


まず結論から言えば、このアルバムは傑作である。



僕が初めて新作として買ったDIRENGREYのアルバムという事で思い出補正もあるかもしれないけども、このアルバムに関しては通学中、休み時間中はMDで聴き、家に帰ってもCDラジカセで聴いていた。

それほどこのアルバムに魅力されていたのである。ラウドロックに魅せられたのも丁度この時期だ。

最初にも書いた通り、今までと違い作風は非常に硬派で鬼葬〜VULGARまで有ったミクスチャーロック路線及びエログロ路線はなりを潜め、音楽性においてはどちらかといえばハードコアやシンプルなラウドロックがベースとなっている。

(例えば、M-2はアニソン感溢れるロックナンバー、M-6はAメロ部分はミクスチャー感はあるが基本ベースはロックン・ロール、M-7、M-11はモロにハードコア、M-8はTMGE感が強い縦ノリ系ガレージロック)







そしてこのアルバムの最大の特徴は…





暗い、ビビるぐらい暗い。





元々「人間とエゴや痛みを表現する」をテーマに活動しているけども、今作では特にそれが強い。


反戦色が強いM-9、PVが放送規制に掛かったM-3、M-14、自殺したファンに対する鎮魂歌M-13等、今までの作品と違いかなりシリアスな内容になっている。


そしてそのシリアスな作風に影響されてかVo.京のパフォーマンスにも変化が出た。


それまでもシャウトを多用していたのだけど、今作ではより感情を込めたシャウトを取り入れている。特にアルバムラストを締め括るM-14.鼓動のラストサビ前のシャウトは、どこか悲痛な、社会に対する絶望感をぶつけるかの様な叫びを感じる。アルバム全体が人に対する絶望や苦痛に対して、何も出来ない様なもどかしさや苦しみ、痛み、そして諦観に包まれている。そんな印象だ。


(勿論、人によってこのアルバムに対する印象は異なると思うので確信は出来ない)


また、ライブパフォーマンスも胸を血が出るまで引っ掻いたり、自らの顔を殴り口から血を出しながら歌い、叫ぶ等、鬼気迫るものに変化していった。

まるで怒りや嘆き、どうにもならない感情をぶつける様に彼は悲痛な叫びをライブで発する様になった。


この頃より、バンド自体はヨーロッパやアメリカ等からライブやフェスのオファーが届く様になり、海外進出を本格化させていたのだけど、他のメンバーが純粋に海外へ目を向けていた中、京だけは




「歌うのを止めるかもしれない」



「何故生きているのかわからない」



「一日中空っぽの風呂場で座っていた」



「突然パソコンを投げた」


など、かなり精神的に追い込まれていた事をインタビューで話していた記憶がある(確かフールズメイトだったはず)



それほどまで彼を追い詰めていたという事もあり、このアルバムに対しては色んな思いがあるのだ。他のバンドに例えるならミスチルでいうところの「深海」あたりに位置するアルバムだ。



この頃、DIRENGREYと同時期に活動していたバンド(PIERROT、SIAM SHADE等)が軒並み解散した事もあり、今後の活動に不安を抱いていたのは僕だけではないはずだ。


何と言うかこのまま解散してしまうのではないか?と思う程、当時のDIRENGREYは一歩間違えたら終わるぐらいのギリギリのラインで活動していた気がしてならない。



と言いつつも今に至るんですけどね。
いやあ、当時は気が気でなかったのだ。うん、やっぱり生きていてくれて良かったよ京さん。


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この頃のDIRパート3
引き続きゴスメイクとスッピンの交互を行き交いしていたが、男らしさが全面に出る様になった。特にベースのToshiyaはこの後見た目にかなり変化が出る様になる…


おわりに


長ぇよ…


やっぱり好きなバンドの事になると、アレもこれも書きたくなり、結果的に収集がつかなくなるのだ。うーん。


この頃のDIRENGREYって、丁度音楽性が変わりつつも固定化されだした頃で、まだ世の中でラウドロックという言葉が定着してなかった時期だ。


所謂V系と呼ばれるジャンルから飛び出す雰囲気もあり、何が始まるか分からないがそれが楽しみで仕方がない感じだったのを覚えている。



また5stAlbumが発表された頃から、The GazettEMUCCといったラウドロックを基調としたV系バンドが頭角を表し始めた事もあり、V系の中でも先駆者たるDIRENGREYの影響力が高まっていた事がわかる。



そのDIRENGREYだが、この後こちらの想像を遥かに超える方向へと進んでいく事になるがそれはまた別の話しだ。



※力尽きました。ゲフン。