Denimusic Fes

邦ロックとかラウドロックとかジーンズとか

モッシュピットデビューした君達に捧げる

はじめに

この記事はコロナ禍以後にライブハウスに通いだした人向けに出すものです。

昔から通ってるあるいはある程度慣れた人にとっては「何当たり前の事言ってるんだこいつ」と思うかもしれませんが、秒単位で情報が流れてしまうSNSよりもこうした形で残して置いた方が良いんじゃね?と思い書きました。

ちなみに真面目な文章書くの苦手おじさんだから本題に入る時は変な文章になるけど許してにゃん。


本題の前に長い前フリ


先日coldrain主催のロックフェス「BLAREFEST2023」が無事開催された。
前回の2020年2月に開催された時「伝説のフェス」と評されたフェスはコロナ禍の混乱や苦労を乗り越え再び参加したライブキッズ達(俺みたいなオッサン含め)に生きる喜びを与えた。

さてこのブレアフェス、コロナ禍以後のライブシーンにおいて重大な出来事が起こった。

事実上のモッシュ解禁である。


ダイブに関しては様々な話し合いの結果「今回は本気で我慢してほしい」byMasatoという事で本格解禁は持ち越しになったものの、我々ラウドロックメロコア、ハードコアを愛する者が心の底から欲していたモノをようやく取り戻す事が出来たのだ。


いや待て既に小箱やインディーズ界隈では解禁されとるやないか。とツッコまれそうだが所謂「表の世界」では事実上初めての事だ。遂に我々は「秩序ある無法地帯」への扉を開いたのである。



今回のブレアフェスでは各ステージでバンドの演奏に応えるが如くフロアでモッシュピットが発生した。スクリーンに映し出されたサークルピット、ウォールオブデス、スカダン、ツーステップetc、皆マスクをしていたがどこか笑みを浮かべていたような気がした。


俺自身も久々にサークルピットに混ざり走り回った。気がつけば知らん人と肩組んで走ったりハイタッチもした。はしゃぎすぎて2日間連続でコンタクトレンズ落としたけどな( ゚д゚)クワッ


とはいえ少し気になった事もあった。


モッシュピットで転んだり怪我する人が会場やTwitterを見る限り結構多かったのだ。


実を言うと俺もサークルピットで走り回った際、目の前の子が転んでしまいそれに巻き込まれる形で転倒し周りの人達に助けて貰っている。(あの時はありがとね。そしてすまない)


他にもモッシュの圧縮さに耐えきれずに途中離脱する人もいたし、実際俺が見たライブでも手に包帯巻いて指も固定しながらライブを見ている子を見かけた。

Twitterのタイムラインでも「転けた」「頭打った」「ピット圧で死にかけた」などの体験談が飛び込んできた。

実際に現場に行った人間はこう思ったはずだ。


「俺(私)たちモッシュピット下手になっとる…」


約3年お預けを食らっていたのである。その間に我々の体力そしてモッシュ勘は衰えてしまったのである。何だよモッシュ勘ってというツッコミをしたくなったお前、正しいよ。


要は頭で思い浮かべている事と実際の身体の動きが追いついていないのである。体力の衰えに気づかなかった結果足がもつれて転ぶし身体も悲鳴をあげたのである。



ちなみに俺の場合フェス当日~終了した翌日はガッツリ寝れたのだが、体力は戻らず結局名古屋のサウナで風呂に浸かりながらサ活し帰宅したが、疲れは取れず結局地元の銭湯で再びサ活し寝た。コンタクトレンズ付けたままでだ(ダメじゃん)



そしてもう1つ理由があった。


「コロナ禍以後にライブに遊びに来るようになった子達がモッシュピットに慣れてない」のだ。


コロナ禍になり、声出し禁止の指定席方式でのライブから始まり、徐々に人数制限解除→立ち位置指定のオールスタンディング→フルキャパでのライブ開催→一部声出しの解禁→フルキャパでの声出し解禁。という順序で何とか歩みを止めることなく続けてきたこの国のライブハウス及びフェスだが、ダイブモッシュについては感染対策(というか濃厚接触防止)の為後回しにならざるを得なかった。


あれから約3年経ち、ダイブモッシュについては封印された状態だった。昔からあの光景に慣れ親しんでいた我々はともかくとして、ブレアフェスが初めてのモッシュピットデビューだった子も少なくないはずだ。


色んな考えの子が居たはずだ。
「怖くね?」「危なくね?」
「汗くせえ」「人多い」








「でも楽しそうなんだけど」




「やべえ、なんかめっちゃテンション上がってきた」




「や り て え」







ウォォォォォォォォォ\( ゚∀ ゚)/



てな感じでモッシュピットデビューした子も居るはずだ。間違いねえ俺のコスモがそう囁いてるのさ。



見ている限りでは若い子が多かった。コロナ禍の影響で修学旅行や部活の大会が中止になったり、学校もリモート授業、サークルも活動休止、そして気がつけば就職…みたいな子もいるだろうし、運良くまだ学生で時間に余裕がある子もいるだろう。



「皆がワイワイ楽しんでる空間」を多感な時期に体験する事が出来なかったこの子達にとって今回のフェスは久々にやってきた「ハレの日」だった。
だから皆笑顔で不慣れながらも楽しんでいたのだろう。



あれはDragonAshでのライブの時だった。「百合の咲く場所」の序盤でサークルが出来ていた。



「ちょwww早くね?」と思ったがサークルを作った子達の「こ、こんなんで良かったかな?YouTubeで見たけど確か皆で楽しそうに走るんだよね(*´ ꒳ `*)」みたいな顔を見た瞬間、オジサンは嬉しくて泣きそうだった。そうか君たちも楽しみたいんだね。この汗臭いフロアを(キモいわ)



実際DragonAshのkjもステージ上から「今までよく我慢したなお前ら!」と笑いながら話していた通り、どんなにタイミングが早かろうとどんなに不格好なものだとしてもあの空間は今まで見たサークルで最高のものだった。


かといってそうスムーズにいかねえのが現実である。彼らは若いが故に力の制御が出来ない。だから想像以上に早く走りすぎて転ぶ。周りのスピードに合わせきれずバランス崩して転ぶ、自らの体力を過信してモッシュピットに長時間居た結果体調崩す。テンション上がりすぎて酒呑み過ぎた結果救護室へ直行する…あ、ごめんこれはベテランの人でもやるわ。てへぺろ


まあ何はともあれ、ライブも華ともいえるモッシュピットを楽しもうとしてくれる若い子が増えたのは嬉しい限りである。いや本当に楽しいんだ。嫌な事も吹っ飛ぶのだ。理由は知らんけど何故か楽しくて笑ってしまうのだ。後ろの方で大人見しながら見るサークルピットは酒のツマミになるレベルである。(*´艸`)フフフッ(だからキモイってば)


という事でここからが本題である。








これからモッシュピットデビューする君たちに捧げる心得




いや、そんな大袈裟なと思うかもしれないが、一時的にとは言えダイブモッシュの歴史が途絶えていたわけである。おそらく見様見真似でやってる子も多いはずだ。不慣れなのだ。初心者なのだ。まだ暖かく見守るべきなのだ。


かといってダイブモッシュは表向きは禁止である。中々言語化されなかったのだ。マニュアルがないのだ。

昔は「やって覚えろ。見て覚えろ」だったが今は令和である。

ある程度文章に残しておいたほうが良いだろうと言う事でオジサン書きます。クソ長いけどごめんな。


服装について


え?そこから!?と思う方もいるかもしれんが、まずはそこからだ。思い出せ。なんか厚着し過ぎてる奴おらんかったか?デカいリュックサックもったまま動いてた奴おらんかったか?そういう事だ。


まずモッシュが行われるライブ、もといライブハウスは暑い。繰り返す暑い。大事な事だから3回言う本当に暑い。


どのくらい暑いかというと冬場でも半袖でいけるぐらい暑い。もう厚手のパーカーなんて着てみたらもはやサウナである。


あれは4年前の夏にマキシマム ザ ホルモンのライブZeppOsakaBaysideで観た時の事だ。序盤から飛ばしまくるセットリストで全身は汗だくだ。フロアも熱気が充満していた。ふと上を見上げるとミストシャワーのような水蒸気が上がっていた。さすがZeppだ。やるじゃないか、ミストシャワー完備とは…と思っていたが違った。

全部客の汗だ。数千人規模の汗が空中で滞留していたのだ。Oh…


ライブ終わりにふと柵を見ると汗でびしょびしょになった手摺がそこにはあった。帰宅し服を脱ぎ、何気なく床に落としたら「ボトッ」という普段の生活では聴かないような音がした。




いや、これ実話なの。本当なの。



ライブが行われてる間最長2時間ほど動き回るのである。運動量も半端ない、人の熱気や密集具合、それによって流れる汗の量…うん分かるな…


ライブを観る時はなるべく薄着、かつ汗ぐっしょりになっても構わない服装がベストだ。あとエチケットの為制汗スプレー持ってけ。


なお冬の場合当然ライブハウスに入る前の外に居る時間は厚着でもOKだし、2階席や後ろの方で観る限りはコートやジャケットを脱ぐぐらいで構わない。


ちなみに俺の格好だが、基本半袖または長袖バンドTに中はタンクトップ、ボトムスは黒スキニー、靴はハイカットスニーカーだ。冬は上にパーカー着て、更にマウンテンパーカー羽織ってる。もっとも嵩張るから保温性の高く収まりのいいダウンジャケットにしとけ。君たちが思うより会場内のロッカーは小さい。ちなみに京都の某有名ライブハウスのロッカーは銭湯の靴箱並に小さい。いやマジで小さいよ。


基本服装は好きにしていいが、モッシュピットに混ざる時にデートに出掛けるような勝負服を着ると後悔する事になる。汗でぐしゃぐしゃ、人でもみくちゃにされ、服がボロボロになる場合があるからだ。


バンドTなのは俺がそのバンドが好きだから着ているのであって、別に拘る必要はない。欲しければ買えばいい。「周りがバンドT着てるのに俺だけ浮いてるよぉぉぉ。(´›ω‹`)フエエ…」ってなるのも分かるが無かったら無かったで仕方がない。


気に入れば買え。値段で迷ってるなら買え。デザインが気に入らなければ買わなくていい。


まあ、でもバンドTは幾つあっても良い。最近のバンドTはデザインもよく普段使いも出来る。生地もそこそこ丈夫なので作業服でもいけるし部屋着でもいける。あると便利だ。記念品扱いで買っても良い。


続いてボトムスだが、俺は黒スキニー履いてる。ストレッチが効いてて動き易いのと、基本バンドTが黒色なので合わせやすいからだ。昔はジーンズでライブを観ていた時もあったが通気性が悪く、ライブ終わりには汗だくで不快な思いをした。UNIQLOH&Mで安く売ってるから手に入りやすいし、普段着でも使えるからこれもオススメだ。




欠点があるとするならば収納が限られる事だ。スマホや財布を入れればもうバックポケットは埋まるし、俺の場合タバコも吸うから前の方もパンパンだ。

じゃあ他になにがあるのか?と言われたらライブキッズ御用達のDickiesだ。元は作業服ブランドで後にスケーターやパンク系バンドマンが愛用した事で一気に広まった。あのダボダボ短パンだ。




実際丈夫だし、収納ポケットも多く、中にはペットボトルがすっぽり入る大きさのポケットがあるタイプもある。動き回るタイプの人間ならオススメだ。


問題があるとするならば、「Dickies履いてる奴=なんかライブで良くも悪くもはしゃぎ倒す奴」というイメージが強い事だ。先人達が色々やり過ぎたのである。なんかゴメンな。


なので大人見してると周りから「なんやコイツ」と思われ、モッシュピットで楽しんでたら「なんやコイツ」と思われる。うん、でもまあ君が相手への思いやりを忘れなければ大丈夫だよ。多分。知らんけど。


あとは軍パンね。guでも売ってるし専門店でも売ってる。収納力はDickiesレベルだ。通気性は知らん。出来ればスナップボタンが付いてるのが良いぞ。落し物防止の為だ。


そして靴だ。単刀直入に言おう「ブーツやヒール、サンダルはやめとけ」


まずブーツであるが重たい為長時間立ちっぱなしのライブには向かない。足の疲労度が半端ないのだ。加えてモッシュで動き回る際他人の足を踏んでしまうと怪我をさせる可能性が高い。面倒な事になるのは嫌だろ?ライブが終わった後足が痛くなるのは嫌だろ。なら止むとけ。


ヒールについても同様だ。多分折れる。せっかく買った高いヒールの靴もポッキリと折れる。誰も弁償なんぞしない。ライブハウスは基本自己責任だからだ。あとはブーツと一緒で疲れるし怪我させる可能性があるから止めとけ。


サンダルについては、もろ自分がダメージ食らうから止めとけ。踏まれた時モロにダメージ食らうぞ。下手すりゃ指折れるから止めとけ。


こうなると選択肢はスニーカー一択になるが、イカットでクッション性が高いスニーカーが無難だ。ローカットの場合動き易いが途中で靴が脱げる可能性が高い。

てかライブでよく靴を拾って上に挙げてる人いるだろ?俺もそうだよ。ブレアフェスの時ひたすら黒のコンバースを掲げてたよ。


イカットだとまず脱げる事はない。紐は解けるかもしれんが脱げてどっか行く事はない。コンバースでも何でも良いから履いとけ。


ちなみに俺はNIKEのSBダンク、エアフォースワンのハイカットモデル、コンバースのCT70をローテーションしてる。ダンクはクッション性に優れ、エアフォースワンは丈夫で踏まれても痛くない。CT70は今は色々あって国内では手に入らないが下敷がNIKEとほぼ同じなので同じくクッション性に優れている。あと軽い。


自分の足にあったもの、デザインが気になるもの、そして踏まれて汚れても構わないスニーカーをチョイスしよう。いや本当にドロドロに汚れるからな。白のコンバース履いていったらライブ終わりになる頃には真っ黒になってたからな(実体験)


あとは身につける小物である。


まずはペットボトルホルダーだ。Zeppで開催されるライブだとドリンクと一緒についてくる。時期毎にデザインが変わる為コレクションする人もいる。ベルトループに引っ掛けてぶら下げるだけ。手持ち無沙汰なのかポケットに突っ込む剛の者もいるが落とすとその後のライブが地獄と化すのであれば付けよう。

ちなみにZeppのペットボトルホルダーはこれ

ちなみにペットボトルホルダーはネット通販でも販売されている。品質については物によるとしか言えないが買っといて損は無い。



次に問題になるのはスマホだ。落とす子はよくいる。俺も落とした事がある。マジで焦った。ポケットにしまいがちだが最近のスマホはデカすぎてポケットからはみ出るものが多い。落とす可能性は非常に高い。


そこでスマホ用の防水ケースだ。あの首からぶら下げるタイプのやつな。
といっても俺の場合はベルトループに引っ掛けた上でポケットに突っ込んでいる。
首から下げたままにするとモッシュした時にネックレス部分で首を傷つけたりする恐れもあるし重い、あとはありえないとは思うがネックレス部分が脱落してスマホが遥か彼方へ飛んでいくか、地面に落下する可能性もゼロではない。



とりあえずポケットに突っ込んどけ。ちなみに俺が持ってたやつはどっか行った。


あとはサコッシュ、ウェストポーチ、ランニングポーチだ。


リュックのような大容量のやつだと邪魔になるし体力を消費するが、小さいタイプのバックなら問題ない。もし上記のものがなければ全部ぶち込んでしまえば良い。寧ろそっちの方が安心かもしれない。


かといってあまりにゴツいデザインだとリュックと同じなので本当に小さいやつにしよう。俺はブレアフェスの時サコッシュを使っていた。なるべくかさ張らないタイプが良い。


あとだ。荷物はロッカーに預けろ。たまにリュック背負ったままモッシュピットに乗り込んでくる横着者がいるが荷物のおかげで元々ある圧迫感が増す。てか重たいだろ。疲れるだろ。


かといって床に置くな。踏まれるし躓いて転ぶ子もいるのだ。勘弁してくれ。中身が破損しても誰が踏んだか分からんのだし弁償はされないと思え。フロアで起こった事は全て自己責任なのだ。


分かるよロッカー代払うの面倒くさいよな。でもな身一つでライブ観た方が楽だし楽しいぞ。身動き取れないより取れた方が良いだろ。分かったなロッカーに預けろ。デカすぎてロッカーに入らなければクローク使え。


あと、ついでにコンビニで駄菓子か何か買って千円札崩してこい。ドリンク代とロッカー代払うのに便利だ。間違っても万札出すな。入場列の後が詰まるだろし、何か申し訳ない事になるから事前に崩しとけ。


まあとりあえずこんな感じだ。さて…




モッシュピットへようこそ


Q.そもそもなんでモッシュおこるの?

A.みんなバンドの生演奏で興奮して身体が勝手に動いちゃうからだよ




事実である。



実際後ろの方で大人しく見てても、気がつけば音に乗って身体が左右に揺れ始め、腕を振り上げ、頭を振り、その場で踊り、歌い、全身でその感情を爆発させてしまうのがロックバンドのライブだ。


さて数百から数千人規模の会場で皆がそれをやったとしよう。


それがモッシュだ。


気がついたらそんなんの。人が密集したところで皆が同じ事やったらそうなんの。ライブ初めの民族大移動レベルの圧縮モッシュはもはや名物である。


ほぼ隙間のない空間で皆が生演奏を観ながら己の抱いた感情を身体で表現する。満員電車でギュウギュウになると凄く嫌なのに、ライブハウスだと「コレだよ!コレ!」となるのだ。不思議なもんである。


きっと一体感というやつなのだろう。そもそも俺達が聴いてるバンドというのは世間ではあまり知られていない。だから話が合わない。せいぜいホルモンかDragonAsh、ワンオクぐらいだ。あとマンウィズもか。そんなものである。だから好きなバンドが被らないし話も出来ない。好きなアニメの話が出来ないオタクみたいなものだ。

そんな自分が好きなバンドのライブに多くのファンが来ているのだ。嬉しいに決まっている。その喜びや仲間意識があの空間をより幸せなものとするのだ。


話がズレたので本題に戻ろう。だから文字数多くなるんだよワシよ…


Q.モッシュ時に気をつける事はなんですか

A.なるべく怪我すんな、させんな



コロナ禍における制限バリバリの全エリアセーフティゾーンなフロアならともかく客の6~7割が激しく動くのである。それも密集地帯でだ。基本誰かの身体にぶつかる。腕、肘、足、腰、頭etc…たまに原因不明のアザや青タンができる。まあ痛みがないならそれでいいが一番気をつけて欲しいのが肘だ。


例えば興奮して腕を挙げるとしよう。すると挙げ終わった腕はどうなるのか。当然下に降ろすのだが…

たまにすげえ勢いで肘から落とす奴がいる。お前はタイでムエタイの修行でもやったのか。


何も無いところに振り落としてくれればいいのだが、たまにエルボーが如く人体に刺してくるお馬鹿ちゃんがいる。興奮のあまり周りが見えてないのだろう。わかるよ…たまに「お前本当にステージ観てる?明らかに目が飛んでるぞお前。ヤクブーツはやめとけよ。な?」みたいな奴がおるのだ。そういう奴には近づかないでおこう。肩ならともかく、顔面にぶちこまれたら最後下手すりゃ折れるからだ。


あとは横にいる人の肩を肘置いたるする奴な。あれ刺さるから止めてくれ。重いというよりウザい。ウザい上に痛い。モロ首に刺さるのだ。やめんか。せめて肩組みぐらいにしとけ。


次に頭だ。何となく分かる人もいるかもしれんが、ヘドバンのリズムは前の人に合わせよう。


リズムが合わないと前にいる人の後頭部に石井智宏(プロレスラーでストーンピットブルなる異名を持つ男)ばりのヘッドバットをお見舞いする事になるし、される事もある。マジで痛いのよ。


俺の場合された事はあるがたまたま頭が硬かったので「ん?なんか当たった?」程度で済んだものの、念の為後ろを振り返ったら悶絶しながら謝ってくる人がそこに居たからな。何故か俺も謝ったよ。ゴメンな馬鹿な分俺の頭硬くなってるんだ。すまねえ。


あとついでに前の人の肩に当ててしまう事もあるので時と場合に応じてヘドバンの勢い、首の可動範囲を変えよう。お互い痛いからな。


続いて足だ。わざと踏むな。ツーステップの邪魔だからっと行ってわざと踏むな。男の足ならともかく女の子の足だと下手すりゃ折れる。そういう奴に限って踏まれると文句を言うのだ。

お前は晒し系インフルエンサーの囲いか。これも時と場合によっては何となくやれ。ガッツリでなくても良いから。気分だけでもアゲとこう。

サークルピット


Q.コケそうで不安です。どうしたら良いですか?

A.早過ぎず遅過ぎずの速さで走りましょう。全力疾走までしなくて良いです。


分かりやすい感じで言うとこれ


そう体力テストで流れるあの定番曲な。テンポでいえば20~30ぐらいがベスト。それでも早いわと思うかもしれない。でも丁度良いはずだ。よくありがちなのがテンション上がり過ぎて「お前は江頭2:50か」レベルで早く走るやつな。コケるぞ。
お前だけなら良いが少なく見積っても10人規模で走るんだぞ合わせろ。


それでも不安だというなら発想変えよう。先に走ってしまうのだ。「さあ!今からサークルピットが始まるよ〜」みたいな感じで助走つけて徐々にスピードを上げてしまえばこっちのものだ。


皆がサビで走り始めたとしよう。まず大体の人はそのペースに合わせてくれる。そして皆が走り出したタイミングで内側へ行けば良いのだ。


外側へ行けば行く程将棋倒しに巻き込まれる可能性は高くなる。ならば内側でシレッと走ってしまえば良いのだ。まるでゴールドシップの様にだ。


コケるリスクは少なくなる。もっともその後のモッシュ圧で「グフッ」ってなるけども仕方がない。耐えろ。


ウォールオブデス


サークルピットと同じである。コケそうになる速さで走るな。そんでもって力任せに相手にぶつかんな。当たりどころが悪ければアバラ骨がやられる。無論お前もだ。


俺の場合、相手にぶつかる時はなるべく正面からぶつからず背中または側面から当たるようにして、尚且つ「ふわっ」とした感じで当たるようにしてる。

要は衝撃をモロに受けないように与えないようにするのがコツだ。
思い遣りは大事だ。もっともたまに越中詩郎ばりのヒップアタックぶち込んでくる奴もいるがやめとけ。あの人ヒップアタックで相手の顔面折った事あるからな。何気に尻って硬いからな( ゚д゚)クワッ

ハーコーピット

Q.何それ

A.ハードコア発祥のモッシュだよ。曲中でブレイクダウンパート(あえて曲のテンポを遅らせて重厚感を出す手法)で手足ぶん回したりするモッシュの事だよ。


Q.どんな感じなの?

A.地方ごとにやり方は違うけど、大阪の場合はこんな感じだよ


・誰もいない空間で回し蹴り。那須川天心ばりに回す

・同じ要領で腕を左右にぶん回す。たまにアジャ・コングばりの裏拳かます

・上記に加えて側転、バク転有



Q.やっていいの?


A.怪我しても良いならやれ。自己責任な。怪我しても後で文句言うなよ。



うん、まず体力というか運動神経ない奴、もやしっ子、運動神経あっても空間察知能力のない奴は大人しく見てなさい。

あれはガチで危険である。



元々発祥元のハードコア自体が倫理観ぶっ飛んだジャンルである。


演者がチェーンソー持ち込むわ。興奮した客がビールケースぶん回すわ。テーブル投げるわ。海外だと全裸で走り回る奴がいるわ。セキュリティー居なくても飛ぶわ。やりたい放題なのである。何だったら演者も演者で「自分の身は自分で守れ(♯゚Д゚)ゴルァ!!」というスパルタシステムを採用している。


もっとも生で観た感想をいえば「怪我するのは二流、怪我させるのは三流」みたいな感じで秩序は保たれてる。


ぶっちゃけた話「暴れられるから」という理由でやりたい放題やった結果、その道20年のベテラン勢にしばかれた…な話もよく聞く。てか聞いた事がある。要はダサい事すんなって事である。


こんな感じである。俺も見様見真似でやった事あるけど…うん、とりあえず見ときなさい。としか言えないのである。


しいて言うなら当たったら謝ろう。これ大事。

ダイブについて


Q.なんでダイブすんの?

A.気がついたらそうなんの


答えになってない気がするがそういうものである。実際Twitterのフォロワーさんでも「気がついたら飛んでた…」みたいな事を呟いてるからガチだ。


てか俺自身も何度かそれに近い感覚になった事がある。本当に急に「ふわぁ」ってなるのだ。
なんかもうどうにでもなれみたいな感覚である。

クソ暑いサウナに限界ギリギリまで入ってから水風呂に浸かり椅子に寝そべった時に感じるあの感覚だ。要はトンでるのだ。


と言いつつ色んな事情があってダイブはした事がないので何とも言えないが「気がついたらやってた」というのは理解出来るのである。


ちなみに「今日は○回ダイブした!」というのは「俺、今日○回シコった!」レベルに相当するどうでも良い事だからあまり大声で言うな。呟くな。心の中に留めておけ。



さてダイブする際の注意事項であるが



・さっさと転がれ
・ジタバタするな
・飛ぶ時はアイコンタクトでもええから合図だせ(出来れば肩叩いてくれ)
・足から落ちることを意識しろ
・怪我しても文句言うな
・下にいる奴に感謝しろ。お前がダイブ出来るのは下で転がしている人達のおかげだ。
・セキュリティにも感謝しろ。危ねぇ思いしながらお前を守ってくれるのだ。感謝しろ。


まずダイブは禁止行為である。繰り返すダイブは禁止行為である。



それでもバンドによって許されたりするのはバンド側が「まあ頭のおかしい音楽してるし仕方ねえな」と思っていたり、「そもそも俺らも昔こんな感じでダイブしてたしな」と思いながら許してる部分もある。要はお情けである。


会場側も会場側で「まあこんな音楽、演奏しとったら何人か頭おかしくなる奴もおるわ」と思ってセキュリティー置いたりしとるのである。


ぶっちゃけダイブ出来る環境が有るのが当たり前と思っていると痛い目にあうのである。あまりにグチャグチャ暴れ回るとライブ自体が中断する。ここ重要ね。


それにだ。


ダイブが出来るのはその下にいる我々の様な下で死に物狂いになりながらライブに来ている人間が居るからだということも忘れるな。


大変なんだぞこちとら。何が悲しゅうて推しのご尊顔見に来たらおどれらの身体に埋もれながら、その隙間を覗き見るように推しの姿を見なあかんのだ。


ダイブするのは別に良いわ。でもジタバタすんな。勢いつける為に人の顔面を壁感覚で蹴るな。俺たちはプールの壁ではない。アンクルロック決めるぞコノヤロ。


過激な事を言うとくたばれと思ってる人もいる事を忘れるな。あと怪我するのは勝手だが怪我させるのは止めとけ。たまに「唇切ったぴえん」「顔蹴られたぴえん」「鼻折れたぴえん」と悲しそうに呟く女性陣もいるのだ。



無論、ライブハウスで遊ぶのは自己責任だし、最前に関してはバンドによっては戦場と化すので彼女達もそれを理解してるのだが、男ならともかく女の子に怪我さすのはよそう。後味が悪い。ダイブしたくなっても前の列に女性陣が多かったら他所から飛ぼう。



あとはライブの盛り上がりによっては屈強なセキュリティでも捌ききれない程の人数でダイブが発生する時がある。その場合はガチで受け止めてもらいない可能性が高い。


覚悟は決めておけ。頭だけは気をつけろ。運ばれたおバカちゃんもいるのである。マジで気をつけろ。


これを読んで「あー、ダイブするのやめようかなぁ」と思ったそこのお前。正しい。自己分析は大切である。自分自身にブレーキをかけられるお前は今後の人生も何とかなるだろう。


ただし、ダイブは悪ではないのである。


モッシュの圧がしんど過ぎて脱出する為に敢えてダイブする人もいれば、どうしても感情が抑えきれずにダイブする人もいるのだ。不器用な奴ほどライブハウスに集まるのだ。

世の中には色んな人がいるという事を忘れるな。

その他諸々の注意事項


・こけた奴がいたら起こせ
サークルピットやモッシュの最中に転んでしまう奴がいる。そうなった時は近くにいたら速やかに起こせ。他の奴が起こしたら両手を広げてバリアを作るように囲め。
周りの奴も「お、悪ぃ悪ぃ」と感じて察してくれるだろう。転んだ奴は落ち込むな。誰でもそうなる。しいて言うなら感謝の意は伝えておこう。

なお靴紐が解けた奴を見た時も同じくバリアをはれ。
逆に靴紐が解けた場合はすぐ結ぶようにしよう。たまに横着して立ちながら結ぶ奴もいるが、「何ボーッと立ってんだコイツ」と思われるし、立っているが故にモッシュピットの住人と勘違いされて不意打ちを食らう可能性もあるのでちゃんとしゃがみなさい。


・水分補給はしっかり取れ
ライブハウスはドリンク代を支払って入場する。その際選んでほしいのは水もしくはスポドリだ。

アルコールは大人見するなら良いが動き回るタイプの人間だと酔いが早く回ってエラい事になる。炭酸系は水分補給する時炭酸が溢れてお前と周りがエラい事になる。先に言った2つが最適解だ。



さて飲むタイミングだが下記の通りだ。

・開演前
・数曲やってからの暗転時。もしくはMC
・ゆったりした楽曲の演奏時
・終演後


大体このパターンで飲めば大体OKなはず。
と言ってもバンドによっては10曲近くやってようやくMCに入るバンドもいるので、「ちょっとキツいかも…」と思ったらタイミングを見計らって後ろに下がろう。そして飲んである程度落ち着いたらまたモッシュピットに帰ろう。無理はするな。


・痴漢するな
その身体についている粗末なもん捥ぐぞ。以上。



おわりに


さて実はこの記事を書き始めたのはブレアフェス直後の2月頃である。お前今まで何してたんだ。すまねえ。


春になり、その間にメガベガスやヨンフェスが開催され、いよいよダイブモッシュ完全解禁もそう遠くない雰囲気になった。


ただZeppグループがダイブモッシュ完全禁止(少なくとも4月現在)を発表したり、未だに全ての規制を解禁したライブハウスとしてないライブハウスの区別が曖昧だったりと問題もあったりする。


コロナ禍でのガイドラインに慣れたせいか身体が鈍ったライブキッズ、そもそもダイブモッシュのない環境が当たり前だったライブキッズとの意見のぶつかり合い等、今まさに転換期を迎えているライブシーンだが願いは一緒だ。



あの歓喜に包まれたフロアに居たいという願いだ。


日常では味わえないあの幸福な空間を待ち望んでいるのは誰もが一緒だ。



仲良くやろう。お互い折り合いをつけて。


叫び、歌い、踊り、舞い、笑い、泣き


また日常に戻ろう。非日常を楽しむ為に。




最後にこの記事を書くきっかけになったnoteを貼っておきます。感謝。(就活頑張れ)

コロナ禍にライブに行き始めた人たちへ 今後の話をさせていただきたい|taisucks