Denimusic Fes

邦ロックとかラウドロックとかジーンズとか

2019年のPassCodeについて


はじめに

思えば去年の春に初めて音源を聴き、夏に人生で初めてライブを観に行ったグループ、PassCode


去年は怒涛のシングルリリース&フェス出演で、「これはもしかしたら来年もっとハネるんじゃあ…」と思わせる期待を感じさせた。


だけども今年はPassCodeにとっては試練の1年だったんじゃないかなあと僕の中では思うわけで


春にアルバムをリリースして、オリコントップ10入りした勢いそのままにZeppTourを開催したまでは良かったものの、初日の東京公演でステージ上にペットボトルが投げ込まれて、演者が負傷&機材故障というトラブルが発生して、予想だにしないスタートを迎えてしまった。その後会場ではペットボトルの持ち込みは禁止され、その後のツアーでもファンのダイブ・モッシュ禁止が囁かれる等何とも言えない展開になってしまった。


実際の話、何回かライブを観に行ったから感じたけど、確かに問題の東京公演以前から「ん?」と思う事があって、他のラウド系バンドに比べて音楽性はポップなのに何故フロアは荒れがちなんだろう?と感じる事が結構あった。特にオメでたい頭でなによりとの対バンでは特にその傾向が強かった。


僕としては「グループ全体のクオリティは高いけど、ファンのクオリティは…」という印象を持っていた。


そして、そのまま海外公演やフェスに出演したり、2000人規模のキャパで無料公演を開催したけどもメンバーの体調不良が重なったりして、どうしてもそっちに目が行ってしまうという悪い流れが僕の中にあった


それが変わり始めたのは、夏に開催されたVERSUS PassCode以降からだ。


何というか吹っ切れたものをグループから感じた。というのもTwitterのTLや某音楽系youtuberが彼女達のライブを絶賛する程のライブを見せつけたというのが大きい。


元々この対バン企画は、今回は昨年の様にラウド・パンク系ではなく、どちらかといえばダイブ・モッシュとは無縁のバンドとの共演が多かった。だからかどうかは分からないけどそうした人達がPassCodeを観て、良い意味で衝撃を受けたのだろうと思っている。


実際、僕も大阪でBAND-MAIDとの対バンを観たけど、お互いの良いところが全面に出たライブだったと感じた。もっとPassCodeのライブが観たいと思える内容だったし、尚且つフロアの様子も以前と比べて大分改善された様な気もした。


この頃からかPassCode自体もメディアに露出する様になり、リーダーの南菜生(以後やちい)が雑誌のインタビューでアリーナクラスのライブを目指すと仄かしたり、youtuberとのコラボ動画に出演したり、avoitとのコラボを実現させたり、所謂外交活動が活発化し始めたのも印象的だった。
(アベマのアレは完全に放送事故だったけども)


そして秋に春のZeppTourの実質的な続編となるCLARITYTourが始まった。ここでもインスタで荒ぶったタグをつけてファンを驚かせたり、今まで見せる事のなかった遊び心をふんだんに盛り込んだ活動を見せ始めた。


もうこの頃になると謎の期待感というのが湧いてくる。
「次は何をするのだろう?」「あのツアーではあの曲をやってくれるだろうか?」

そんな事を考えながら、2019年の12月に彼女達の地元大阪でライブが開催された。



12/7 PassCode なんばhacth

今回のライブで僕は初めて2階席から観る事にした。

理由はペットボトル持込禁止という状態でフロアでモッシュピットの中で観る事は自殺行為の様だと思ったのと、一度彼女達のパフォーマンスをじっくり観てみたいという気持ちが強かったからだ。

たまたまフロアが満遍なく観れる様な良い席が取れた事もあり、ライブが始まる前から期待感で胸を膨らませていた。
 

そしてその期待感は予想以上のものだった。


今までは中々じっくりと観る事が出来なかったPassCodeのパフォーマンスは最高のものだった。今までで観たライブの中で最もグッとくる内容だった。それはダンスのクオリティもそうだけど、何より春頃に比べステージ上の雰囲気が明るくなっている様に感じられた。


人によっては、ZeppTourの時の殺気溢れるパフォーマンスが好きという人もいるだろうけど、僕の場合心からライブを楽しく観るとするならば間違いなく今回の様なライブだ。


何よりメンバー間とのコミュニケーションが取れているなあと感じられたのはMCの時だ。


ぶっちゃけPassCodeのMCはグダグダだ。そこが味とも言えるんだけども、今回は長い時間掛けていたにも関わらず全然飽きる事はなかった。何故なら、彼女達がフロアにいるファンに質問コーナーを設ける事でコミュニケーションを深めたり、そこからメンバー間で話題を掘り下げる等の工夫が見られたからだ。


印象に残っているのは、普段はどちらかというとクールなイメージが強い今田夢菜(以後ちゆな)が笑いを堪えきれずに噴き出したり、やちいがシレッと毒をぶち撒けたり、メンバーの意外な一面を見る事が出来た事だ。あれだけでもご飯3杯はいけるシーンだった。特にちゆなの笑顔とかは中々見る事が出来ないので嬉しかったなあ


セトリもCLARITYだけではなく、ファン待望のキラーチェーン「Club Kids Never Die」が演奏されたり、ツアー前にリリースされた「ATLAS」が想像以上だったり、その前に演奏された「Ray」ではサークルピットが発生したり、会場がパンパンになったフロアの盛り上がりも今年を締め括るにはもってこいの内容だった。


まとめ

正直、今年のPassCodeに関してはペットボトル投げ込み事件がなかったらもうちょっと楽しく見れたよなあと思うところがあった。


それでも彼女達、バックバンド、そして運営側もそれにめげる事なく突き進んだ事によって徐々にファンの熱量も上がっていった様に思える。

来年はツアーファイナルとして新木場2DAYSを開催する上に、ZeppNagoyaでの追加公演も決定した。更にあのSUM41との競演も控えている。


間違いなくPassCodeというグループは今後ももっと高みへ羽ばたいてくれる…


そんな存在になって欲しいなあと一ファンながらそう願います。