Denimusic Fes

邦ロックとかラウドロックとかジーンズとか

BLARE FEST Day2 後編

BLARE FEST 参戦 前書き - Denimusic Fes
BLARE FEST 参戦 Day1 - Denimusic Fes
BLARE FEST Day2 前編 - Denimusic Fes






Pay money To my Pain




Vo.K
Guitar.PABLO
Bass.T$UYO$HI
Dram.ZAX



このバンドについては、僕より思い入れが強い人が大勢いるので僕が語るのは荷が重い。
彼等が残した功績は大きく、彼等が存在しなければこの国でラウドロックというものは定着しなかった。そしてもっと評価されて然るべきバンド。それがPay money To my Painだ。



彼等が出番が近づくにつれ、PTPのバンドTに身を包んだファンが続々とフロアへ集まっていった。中には始まる前だというのに目に涙を浮かべてステージを凝視しているファンもいた。


もう観れないと思っていたあの4人が観れるのだ。例えこの世にKが居なくとも。





17:40






定刻通りにステージの照明が落ちると共にPTPコールが鳴り響いた。そして舞台袖からメンバーが続々とステージに現れた。モニターにはメンバーの顔が順番に映り、最後にKの姿が見えた瞬間大きな歓声が沸いた。


復活ライブ記念すべき1曲目はgene収録のResurrection、Voのmasatoそしてヴィジュアル系で唯一ブレアフェスに出演したlynch.のVo葉月がステージ中心でその歌声を響かせた。


ラウドで有りながらメロディーの美しさや儚さが共存するPTPにしか作れないサウンドが巨大な会場に鳴り響いた。masatoと葉月、光と闇を司る化身の様な2人の姿はこの曲が持つイメージ通りだった。



2曲目はWeight of my pride
PTPの代表曲の1つでKの追悼ライブでも歌われた曲だ。奇しくも歌うのは追悼ライブでもカバーしたSiMのMAHだ。

声質のせいかもしれないが、そこにはKが歌っていると錯覚してしまうオーラがあった。
フロアはWoDが発生していたが、その壁はどこか切なさを感じさせる物だった。



そして最後に




MAH「Kよりも年上になっちゃったよ」





MAHの放ったその言葉はKが居なくなってからの年月を物語っていた。



そして3曲目にはCrossfaithのKoie、Teruそして何とロットングラフティーNAOKIが現れたのだ。
演奏されたのは、Respect for the dead man
この曲でフロアの盛り上がりは一段とギアを上げた。




Koie「湿っぽいのは俺らには関係ないんや」




うる覚えだがこんな事を話していた気がする。実に彼らしいスタンスで行ったパフォーマンスはPTPの持つ儚さとマッチングしたバイオレンスさを持ち合わせた名曲を更にクオリティーを高めていった。





T$UYO$HI「大切な人の手は絶対に離すな」




感動的なMCを経て演奏されたのはPictures

カバーしたのは今日出演したSurvive Said The ProphetのYoshとNOISEMAKERのAGだ。



彼等のエモーションナルな歌声は会場をさっきまでの熱狂から一転センチメンタルな雰囲気へ変える程だった。
激しさだけでなく叙情的な一面を持つ両バンドのヴォーカルはまさにこの曲に持ってこいだった。



そして5曲目に映る前にメンバーから携帯のライトを点ける様指示が出た。



会場一帯がライトで明るく照らされる中、ONE OK ROCKのTakaがVoiceを歌った。Takaの優しげな歌声とメロディーが会場を響く中、周りからは啜り泣きが聴こえ始めた。まだONE OK ROCKラウドロックと言われていた頃に発表されたこの曲は、Takaの成長をKに見せるかの様なものだった。





そして曲が終わり、周りからはKと声を出しながら泣くファンが徐々に増えていった頃、あるファンが叫んだ。







「K!聞こえてるなら返事しろよ!」








その時だった






Kの歌声が聞こえてきたのだ







Rainが流れたのだ









Kが戻ってきたのだ






geneのラストを締め括るバラードは皆の視線をステージ中央にあるマイクへ集めていた。



もう皆泣いていた。僕も我慢し切れず泣いた。彼はもうこの世に居ないし、その歌声は別撮りのものだ。



だとしても確かにそこにKが歌っていたのだ。




彼の様に歌えるヴォーカリストはいるのかもしれないけど、彼の歌声はもう何処にもないのだ。



だから皆心待ちにしたいたのだ。あの声をもう一度聴く為に




そして夢の様な時間は終わりを告げた



最後に演奏されたのはAIRJAMで最後に演奏されたThis lifeだった

 
そこにはライブ映像も映し出され、Kが笑顔でパフォーマンスをする姿も映っていた



ここで僕は


「もう再結成はしないだろうなあ」



と思った



出来ないのではないしないのだ



彼等の存在はとてつもなく大きく気高いものだ



理由は分からないけど、今日が最初で最後の再結成だろうとその場で感じた。





まさかのトラブル





PTPの余韻に浸りつつも、さあこれでブレアフェスも終わりだ。と思いcoldrainのライブを観ようとした。








定刻になっても始まらない。最初はPTPの余韻を感じさせる為にあえて公演時間を遅らせていると思っていたが、館内アナウンスの音響トラブルを伝える知らせが発表された瞬間、会場内は響めきと悲鳴がこだました。




何で?最後の最後でこんな仕打ちがあって良いのか?今までこのフェスを盛り上げてきたバンドの演奏は?ファンの歓喜の姿は何だったんだ?


ハッピーエンドで終わらせない気なのか?もし神が存在したなら、胸倉を掴む勢いで怒鳴り散らすだろう。


館内アナウンスの暗い声が2、3度聴こえる中、会場は不安に覆い尽くされていた。




最悪中止も有り得る…
BLARE FESTは伝説を目前にして終わるのか…




「いやあ、参ったねー」
「ホンマやなあ」
「フフフ」




会場の雰囲気には場違いなまでに明るい声が響いた



その主はMAH、KoieそしてHEY-SMITHの猪狩だ。



「いやあ無許可で来ちゃった☆」



続けざまにブレアフェスの事を話し始めた。
昨年のM1チャンピオン、ミルクボーイのパロディをステージ上で繰り広げたのだ。


ドンよりとした空気は一転し、笑いに包まれたのだ。


そして、キュウソネコカミのヤマサキセイヤも登場し、あまり上手いとは言えないシャウトを披露し会場は大盛り上がりを見せた。



そこから更に‪CrossfaithのTeruも登場した。片手にはトレードマークのイエガーマイスターを持っていた。



彼が持ってきた酒で彼等は一気呑みを始めた。ステージには続々と他のバンドマンが現れては酒を呑み、フロアを笑いの渦へ引きずりこんでいった。



10-FEETのTAKUMAが着ていたズボンの話、Kの悪戯の話、猪狩が入ったセクキャバで自分のバンドの代表曲が流れた話etc



鬱屈とした待機時間はあっという間に過ぎ去り、そしてトラブルが解消されたとの情報が入ってきた。会場はこれまでにない安堵から来る歓声が巻き起こった。



もし彼等が居なければ…と思うとゾッとする。

しかしこのトラブルが無ければ見れなかった事も事実だ。
彼等はピンチから僕達を救ってくれたのだ。そこにはバンドマンとしてのプライドと仲間としての思いやりを感じさせた。


1日目のMC



masato「気がついたらカッコいい仲間しか居なかったんですよ」






この言葉は本当だった




そう、ここはBLARE FEST
coldrainのバンド人生を賭けた集大成であり、その想いに賛同した仲間が集う他にはないロックフェスだ。



coldrain





予想外のトラブルから予定していたセトリを変更して行われたこの日のライブ


しかし‪事前にセトリを見たKoieが凄くエグいラインナップと話していた通り、いきなりThe Revelationを1曲目に演奏したのだ。


間違いない。彼等は本気だ。本気でこのフェスをBLARE FESTを伝説にしようとしている。

皆から受けたバトンを受け取ったcoldrainは、もう迷いなく全力で会場を盛り立てて行く。そこには今までにない気迫と魂を感じさせる最強の5人が居た。


バランス重視だった昨日に比べて、これが俺達のラウドロックだ!と言わんばかりの超攻撃的なセットリストにWaterstageのフロアはダイバーが相次ぎ、モッシュピットが大量発生していた。


僕は体力が限界に達し、Firestageから観ていたがそれでも心は既に反対のステージへ飛んでいた。


僕が彼等の音楽にハマるキッカケを作ったTo Be Alive


巨大サークルピットを作り上げるF.T.T.T


会場全体が揺れたENVY


彼等の勢いは止まらない、否、止まるわけがない


彼等はcoldrainは並のロックバンドではない、日本が海外に誇る最先端のラウドロックバンドだ。



masato「俺には特殊能力がないから声を出して言う。分かれろ!」




まるで少年漫画の主人公の様な雰囲気を出しながらWoDを作り上げた彼の姿はまさに勇者だった。



ハードナンバーを歌い続け、徐々に顔が歪み始めながらも彼は歌いあげる。それはこの会場に来た人だけでなく来れなかったファンに対しても誇りを見せる為の意地だと感じた。




そして最後のMCに入り、彼からビッグサプライズが聞かされた。




「10.18横浜アリーナでワンマンライブ」




遂に来た!という想いがこみ上げてきた。
次なるBLARE FESTを実施する為、そしてcoldrainがもう1段階レベルを高める為、彼らは挑戦し続けるのだ。日本のロックを、ラウドロックをより高みに持っていく為に



そして怒涛の2日間を締め括る曲が演奏された。


coldrainの代表曲、Final destination





そう、ここはBLARE FEST
見た者全てが伝説と口を揃えて言う。ロックバンドの祭典。


そしてラウドロックを愛するクソッタレの為に最高のクソッタレ達がジャンルの壁を壊して全力で作り上げた最高のフェスだ。






そしてそのフェスは予定よりも1時間弱遅れで終了した。



身体はボロボロで頭もボーっとする。
それでもどこか清々しい感情で終わりを迎えたのだ。


周りはこのライブがどれほどのものだったかを確認するかの様に明るい声で話すファンが後を立たなかった。




おわりに


長えよ



いや、本当に長い
まず1日目の感想で7000文字という大学の論文ばりの長文が出来てしまい頭を抱えた。アホか俺は。
もう文字数を数えるのも面倒くさくなってきた。文字数が多ければ良いってもんでもないのだ。バカタレが。



もう何を書き出したら良いか分からない程、このフェスは最高に盛り上がったしフェスからもうすぐ1週間が経とうとしているにも関わらず、未だに余韻に浸っている俺がいるのだ。おかげで仕事ではケアレスミスが連発している。チクショーめが。



あまりにも楽しすぎて、再来週にハジマザが始まるのにそんな感じはしないし、未だにBLARE FESTに出演したバンド以外の音楽を聴いていない。しかもcoldrainとPTPに関してはグッズの受注販売までやり始めた。どれだけファンに金を使わせるつもりだ。この鬼畜め、貯金が出来るはずもないじゃないか。パーカーがカッコ良すぎて仕方がないじゃないか。



最後まで最高かよ。BLARE FEST
いつになるかは知らないけど、また行くからな


今度はホルモンとBRAHMANも一緒にな
海外からもゲストも呼んでくれ


そして最高に熱い夜にしてくれ、coldrain





おわり